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投稿日時: 2014-8-28 8:00:00
 筆者は2013年4月から1年間スイスのチューリッヒ大学で研究生活を送りました。冬学期には日本学を専攻する上級の学生を対象に『現代日本の青少年のこころの問題』という題のゼミナールを開き、フリーターやひきこもり等の8つのテーマについてその原因や普遍性等を考察しました。

(筆者が1年間過ごしたチューリッヒ大学アジア・オリエント研究所)

 このゼミの参加者は20名でしたが、両親共にスイス人という“純粋スイス人”は少数派で、アラブや東南アジア諸国からの移民2世や3世、また、ドイツや中国からの留学生が半数以上を占めていました。そのため、議論も日本とスイスの比較に留まらず、各学生の文化的背景を反映した、非常に興味深い、多面的なものになりました。
 最近日本でも異文化共生という言葉を聞くようになりましたが、将来の日本の大学で起こるであろうことを一足先に経験した気がします。異なる文化的背景を持つ人々と共に暮らすことは容易ではありませんが、同時に彼らがその国の新たな活力となり、生活や文化を更に豊かで奥深いものにしてくれるようです。アルプスの小国であるスイスが、人口比では世界一のノーベル賞受賞者大国であるのも、実は新たに住み着いた科学者やその子孫のお陰なのです。

(大学のテラスから見たチューリッヒの街並み)

伊藤 賀永(人間発達学科)

投稿日時: 2014-8-21 8:00:00
 本学部の1年生は「教養ゼミナール」という授業が春学期にある。入学後最初の学期にあることもあり、大学に慣れるための時間でもある。4年間の学習上必要なスキルを「教養」として身につけるための時間と理解しており、私の「教ゼミ」ではー遡篶呂慮上、∪儷棒の開花、C膣岼媼韻両成、を目指しており、15回シリーズの最後の2回は各々の設定した自習テーマについて学習成果を発表してもらう。自己紹介を含め、何かを発表する際には常に、発表者一人に対し全員が順番に質問する事を義務付け、最後に私も質問やコメントを加える。
 教ゼミ序盤の数回は、自己紹介や図書館など学内施設利用に関するオリエンテーションで消費される。そして、人間関係が少しこなれてきた頃に、「自習テーマ」について発表する時間を設けるが、発表までの間には数回分の時間が生まれる。この時間は個人またはチームで1回分の企画を立案発表してもらい、実現できそうな内容について具体的に計画していく。仲間を巻き込んでみんなで楽しむのである。ただし、授業の一環でもあり、だらだらした遊びにならないようにとって付けたような内容の課題や目的を設定し、これを解決していくための企画を意見交換しながら練っていく。定番は、「周辺の環境を知る」と題した近所の野島公園や称名寺までの散歩だ。散歩も含め、学外の活動には事務手続きとして「学外活動届」の提出が義務付けられており、これには学生が作成した企画書を添付している。
 今年最後の企画は、中庭でみた「巨大シャボン玉」を私も作りたい!を実現するための企画であった。シャボン液から使用道具まで、3週にわたり少しずつ計画を磨きやっとの思いで実施までこぎつけた。本番前日に企画者がリハーサルしてみると、ネットでちゃんと調べたはずなのにシャボン玉ができない。膜すら張らないのである。まさかの「企画中止」寸前である。急遽中庭の指導者であるH先生に泣き付いた。レシピをいただいたがこれを試す時間もなく、彼女たちは心のなかで雨乞いをしながら帰宅した。一夜明け、ネガティブな記憶を抱きつつも、レシピに従いシャボン液の仕込みを始めた。無数のシャボン玉が宙を舞う頃には、すっかり元気になってきた。洗剤やトッピングの種類や濃度などを変えながら色々と試し、「黄金比」なるものを確認できた。その頃にはたまたま居合わせたチビっ子たちが歓声を上げながら駆け寄ってきたので、共に楽しむこともできた。
 自らの企画を運営する大変さと共に達成感を実感できたのか、公園からの帰り道では朝のテンションから想像できない表情をしていた。彼女たちにとって、ネット情報の「あやうさ」を体感したことが最大の収穫だったのかもしれない。


山岸 博之(健康栄養学科)

投稿日時: 2014-8-14 8:00:00
複雑になりすぎた、知的になりすぎた(つまり、考えすぎ)と感じたら、「最初の衝動」に立ち戻れ。

と言うのはロッカー佐野元春と、漫画家の浦沢直樹の二人。いずれも著名なクリエーターですが、彼らの対談を見ていたら、二人ともが口を揃えて同じように言うのでした。

彼らは表現者として長年活躍してきた経験から言っているわけだけれど、これは表現者であるか否かにかかわらず、誰にとっても重要なことだと思います。

と言ったからといって、「初心を貫こう」というのではありません。むしろ、僕が書こうとしているのは、それとは逆のことになるのかもしれません。

すなわち、最初の衝動に戻るというのは、具体的な最初の願望(たとえば、○○になりたい)の実現をめざして進めというのではなくて、○○になりたいと思った時の気持ちを大事にしようということだろうと思うのです。○○になりたいと思った時の根幹にある種を生かせば良いので、その現れ方は変わってもかまわない。

もともとの衝動の中にあった種を大切に育てるということは、ひとつのアイデアに執着するということでもないはずだし、ただ単に技術や仕掛けの洗練が目的でもない。もしそうなりかけていると感じたならば、その時は初心に戻ってあらためて自身に問い直せということなのだと考えるのです。

研究室にあるカスティリオーニによる照明器具作品2つ

さて、つい先日まで、ゼミの学生たちは、イタリアのデザイナーのカスティリオーニ兄弟、とくにアッキレ・カスティリオーニの作品を研究していました。彼らは世の中にすでにあるかたちを別のものに転用するということをやり続けたのですが(上の写真の照明器具の左は自動車のヘッドランプと釣り竿、右はフィルムのリールの応用です)、これは一見創造的なデザイナーとは言えないやり方のように思われそうです。

しかし、カスティリオーニが生み出した作品は、他には見ることのできない、オリジナリティに溢れたものだった。新しい視点からもとのかたちが持っていた良さを再発見し、これを生かすことを教えてくれただけでなく、ともすると創造の世界においては(あるいは、私たちの生き方そのものにおいてさえも)オリジナリティをはじめから求めがちな風潮に対する、有効な批評にもなっていたと思うのです。

学生による作品3つ

学生たちは、研究するだけではなく、学んだことを実際に生かそうと、各人がそれぞれひとつずつ作品を製作しました。上の3つは、左から順に、グラス、卵用紙パック、折り畳み傘の骨を利用したものです。たまたま照明器具ばかりを並べましたが、それ以外のものもあります。これらについては、8月3日のオープンキャンパスでの展示*、9月の展覧会開催に向けて鋭意準備中。

自分らしくあるためには、何もかも自分で新しくはじめる必要はない。最初は真似からはじめても、やがて自分らしいものになってくる。これが世の中の大勢の人々(天才たちを含む)がやってきたことだと思います。むしろ、ずっと真似のままでいる方がむづかしいかもしれませんよ。

オリジナルな自分探し、オリジナルな種探しにかまけるのをひとまずやめて、もう少し自由になって、シンプルに考えて、やりたいことに取り組んでみたらどうでしょう。オリジナリティについては、やりながら探してゆけばよい。

それが何であれ、少なくとも一定の期間は続けることが大事なのは間違いないし、やり続けるうちに分かってくることがあります。また、当然変わる部分もあるでしょう。それに、あんがい世の中は今の自分が思っていることと同じではない場合も多いのですから。大学という場は、そうしたことを実践できる貴重な場所の1つです。

佐野も浦沢も、そしてカスティリオーニ兄弟も、つまりは同じようなことを言っていたように思えてきます。

ところで、少年の頃、佐野は漫画家(手塚治虫)に憧れ、浦沢はロック・ミュージシャン(ボブ・ディラン)を夢見ていたそうです。

*本稿が掲載される頃にはもう終わってしまっているので、予告編とともにその時の様子は以下のHPに載せる予定です。どうぞご覧ください
http://home.kanto-gakuin.ac.jp/~fujimoto/nicespaces.html


藤本 憲太郎(人間環境デザイン学科)

投稿日時: 2014-8-7 8:00:00
 このコラム欄は、人間環境学部の学生さんを主な読者の対象としていると思われるので、これから、ある事例を提示します。あなたならどう対処するかを考えて下さい。現実社会の問題は、複雑かつ多様な側面を抱えており、簡単には答えが出せないものばかりです。今後の参考のためにも取り組んでみて下さい。

原料漏洩

山田は、ある石油精製会社において、環境管理部門で将来を嘱望される課長として仕事をしており、部長クラスとの信頼関係にも厚い立場を築いている。
会社は、山田の立てた方針に沿って環境規則を厳密に守り、監督官庁にも評判が良い。
この会社は備蓄タンクやパイプ・ラインを設置し各種の石油化学製品を受け入れ、これらをブレンドしてタンクトラックを通じて得意先会社へと再出荷している。
取締役の井上は山田の働きを大変評価しており、山田をいずれ部長に昇進させようと考えていることを本人にも伝えているような間柄である。
山田の家庭状況はと言えば、現在、長男は東京の私立大学に通わせており、長女は高校2年生で、この子もやがては大学にと考えている。また、長男である山田の両親は、現在、田舎で二人だけで住んでおり、最近父親が軽い痴呆の症状を来しているとの知らせに、やがては介護の負担がのし掛かってくることに一抹の不安を覚える毎日である。
そんなある日、社内の休憩室で取締役の井上と二人でコーヒーを飲んでいる折、井上が山田に、パイプ・ラインで受け入ている石油化学原料に関し、かつて不可解な損失があったことを話し始めた。
2000年代当初は、操業もノンビリしており、石油化学原料の一部の損失が監査の際に初めて発見されたそうである。その内容は、どうやら、40立方メートルの化学原料が消失していたらしい。原因調査によると、パイプ・ラインの運転下で圧力テストを行った結果、パイプの1本が腐食し化学原料が地下へ漏れていたのを発見したという。そこで、漏れを止めて検査のためサンプル採取の井戸を掘ると、その原料が割れ目に滞留しており、深部の帯水層へゆっくり拡散していることが分かったそうである。
会社では工場地下のどこかに原料が滞留・拡散しているかもしれないと考え、調査を試みたが、サンプル採取井戸の周辺では、地上から120メートル以下の地下水は汚染濃度がゼロであったという。また、工場周辺地域の数カ所の調査でも地表水や地下水への汚染はなかったので、当時の部長はもう何もする必要はないと判断し、その後、この井戸は蓋をされ、以後、この話が話題に上ることはなかったという。
山田はこの無邪気な井上の暴露話に愕然とした。彼の認識しているところでは、この場合、山田の立場は、全ての漏洩を報告する責務を負っている。しかし、何年も前に起きた漏洩について何を報告すべきか?。しかも、漏洩の影響は消失しているようでもある。彼は苦渋の顔で井上に言った、「会社はこの漏れの事実を一応は監督官庁に報告しなければならないのではないか」と。
井上はいぶかるように応えた。「山田君、漏れは現在ないのだよ。監督官庁が探せと言っても、当時見つからなかったのだから今はもっと見つけ難いと思う。また、たとえ発見した場合でも、それをポンプで吸い上げて処分するのは、会社が大変なコストを負うことになる話しだよ」と。
しかし、山田は主張する「でも、法律では報告しなければならないことになっています・・・」と。
井上は反論する。「おい、山田、僕は君に内密に話したのだ。確かに君の立場の技術倫理規程では、報告しなければならないだろうが、それは会社に多大の損失を被らせることになる行為だよ。また社員は社内業務内容に関しての守秘義務を要求されてもいるはずだ。君が立場上から監督官庁に報告するというのは、同僚にも相当の負荷や迷惑を掛けることにもなり、適切な行為でも何でもない。予想されることは、会社が面倒な騒ぎに巻き込まれ、無駄な金を使わされ、さらに信用を失墜することだけだ」と。
「しかし・・・」と、山田は言葉に詰まる。
井上はたたみかけるように言った。「山田、率直にいえば、もし君がこのことで監督官庁に報告しても、君は誰にも良いことをしないのだ。会社にも、環境にも、そして君自身にもだ。僕は、前に君を近々部長に考えていると言ったが、もし君がこの件を報告するのだったら、昇進の話は考え直さなければならないな」と。

質問

さて、もしあなたが、この山田の立場だったら、この状況にどのように対処しますか?。報告する、報告しない、のいずれかを考えて下さい。

井上 枝一郎(現代コミュニケーション学科)

投稿日時: 2014-7-31 8:00:00

1.お話きかせ隊(読み聞かせとおはなし会)
 今年度は活動拠点を広げて活動しています。関東学院六浦こども園だけでなく、関東学院六浦小学校にも火曜日と金曜日の昼食の時間におじゃまして、低学年の教室で読み聞かせを行っています。
 また5月には、講談社主催の「本とあそぼう全国訪問おはなし隊」に参加して、県内の保育園や小学校で読み聞かせをしてきました。
 今年も8月の23日、30日、31日に、横浜そごうでお話し会をすることが決まり、学生たちも新たな気持ちで練習に取り組んでいます。

2.「教員養成特別講座」(教職支援の特別授業)
 毎週月曜日の午後6時から、教員をめざす学生が集まって行われている「教員養成特別講座」。今年は毎月最終月曜日に、教育ボランティア(アシスタント・ティーチャー等)を行っている学生への研修としてATスタッフミーティングを兼ねて実施しています。
 5月には、卒業生で横浜市立大道小学校教諭の玉利海太郎先生から、6月には、関東学院六浦小学校の石塚武志校長先生から講演していただきました。
5月「大好き 学校」
6月「小学校におけるキリスト教教育」
玉利海太郎 先生
石塚武志 校長先生

 今後も、卒業生や学院小学校との連携を大切にしながら、教職をめざす学生の支援を行いたいと願っています。

山下 俊幸(人間発達学科)

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